ホテルルワンダ レヴュー

監督 テリー・ジョージ
主演 ドン・チードル(役:ポール・ルセサバギナ)
出演 ソフィー・オコネドー(役:タチアナ・ルセサバギナ)
ジャン・レノ(ホテル王)
概要
1994年4月から7月。たった三ヶ月間で行われた100万人大虐殺。
ベルギー系企業の運営する国際ホテル「ミル・コリン・ホテル」の支配人だったポール・ルセサバギナは、そのホテルに1200もの人々をかくまい命を救った。
この映画は実話です。
review
たくさんの人に見てもらいたい映画です。そして、心に刻んでほしい映画です。
まず、大虐殺の舞台となったルワンダの歴史から書いていこうと思います。
それまで、さまざまな人種が混在していたルワンダは、ツチ族のルワブギリが王として支配していた。
1895年ルワブギリの死後、ルワンダの政府は崩壊していくのだが、ツチ族の党派はドイツに助けを求めた。ドイツはルワンダに総督部を設け、ルワンダを間接的に統治した。
そこから、ドイツの後ろ盾を得たツチ族の支配は続いた。
第一次大戦後、国際連盟は戦利品としてルワンダをベルギーに渡す。
ベルギーは国家として統一されていたルワンダを混乱させるため、彼らを見た目で分ける政策をとった。
フツ族とトゥワ族それに容姿的にヨーロッパに近いとされるツチ族、ベルギーは経済的にも教育的にもツチ族を優遇し、彼らに人種ごとのIDをつけた。
このことが、フツ族とツチ族の間に人種差別という確執を芽生えさせた。
1950年代になると、国連はベルギーにルワンダを民主国家にするよう圧力をかけた。ツチ族の伝統主義者達はこれに反発した。
そのため、ベルギーはツチ族を裏切りフツ族の反乱を後押しし政権の交代を行った。
以後、ルワンダはフツ族が支配するようになった。
ツチ族はルワンダ愛国戦線「RPF」を結成しこれに反抗した。内戦のはじまりである。
1992年、当時のルワンダ大統領は「RPF」との和平に乗り出す。
しかし、これを裏切りと思ったフツ族は1994年大統領を暗殺。
それを、発端にフツ族の民兵グループ(インテラハムェ=共に戦う者)は暴徒とかし、フツ族によるツチ族の大虐殺が始まることとなった。
今から、たった13年前、今大人と呼ばれる人はみんな生きている時代に起こった出来事。
それは、とてもリアルで怖くてせつない。
日本はとても平和で、戦争はもう遠い昔の出来事のように感じられてしまう。
だけど、世界中で未だに戦争が起きている。
よく聞く話かもしれないけど、この事件はたった10数年前に起こっていて100万人の死者がでたというスケールがとても衝撃的でした。
同じ国に住み、同じ言葉をしゃべっていて、結婚している人だっているのにたかが種族が違うだけで、ゴキブリ呼ばわりして一方的に虐殺してしまう。
歴史的背景があったにせよ、改めて人間の弱さが身にしみました。
そして、同じ世界に住み同じ人として生きている人間がこんな大虐殺に合っているのにも関わらず、それを観て見ぬフリをする人間の愚かさを学びました。
この映画は、とても意味のある映画です。
一人でも多くの人に見てもらいたい。
そして、感じてもらいたい。
たとえ、心に届かなくても、こんな事件が世界で起こっているんだってことを知ってもらいたい。
それだけ、価値のある映画だとおもいます。
最後に感想を一言。
この、大虐殺は宗教的な違いから起きたんじゃなくて、ただ、民族が違うから起きているということを頭に入れてみてもらいたいです。
この映画は評価をつけるような作品ではないので今回は点数はつけません。
応援してもらえると生きる励みになります☆


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